てんりせいかつ

てんりせいかつ Vol/16
いよいよ自社焙煎スタート。
東京で始まった第2章。
—後編—

くらし
2019.07.12

第16回

株式会社 大一電化社
上田隆 氏

「てんりせいかつ」では、天理で自分らしく暮らし、活躍されている方々を訪ね巡りご紹介していきます。今回は前回に引き続き、エスプレッソマシンの専門店として国内のカフェ・レストランオーナーから絶大な信頼を寄せられている大一電化社の代表・上田隆さんです。自社焙煎に踏み切った経緯、そして会社のこれからの展望を天理市内のショールームで伺いました。

進化を止めない大一電化社、
いよいよ自社焙煎をスタート。

大一電化社さんはエスプレッソマシンの販売と保守で大きな実績を築いてきた会社だが、ここにきて新たな動きがあると上田さんが教えてくれた。「実はこの春にオランダ製の焙煎機を入れたんです。お客様にも好みがあって、それぞれの好みにぴったり合わせようと思うともう自社で焙煎をするしかないという結論に至りまして」。現在、生豆・焙煎釜・焙煎士・バリスタ・設備環境のすべてをトップクラスで揃えた「やまのべ焙煎所」からニーズに応じた「最高においしいコーヒー豆」のお届けを始めているとのこと。業務用の豆は常に一定の味をつくりあげる必要があるところに高度な技術が求められるが、その点に関しては上田さんには勝算がある。「東京の銀座で働いていた腕のいい焙煎士が私たちの会社に加わってくれることになったので、そこは彼に任せようと思っています。彼の焙煎はまるで魔法です(笑)」。

東京にもショールームを構え
大一電化社の次の物語が始まる。

2018年2月に大一電化社さんは東京の押上にショールームをオープンさせた。「本社と東京に腕のいいトップバリスタが加わってくれたので、彼らのような有名なバリスタの人脈は大きな強みです。あとはもちろんネットからの問い合わせと、最近では息子がスペシャルティコーヒー業界の委員会に参加しているので、複合的なつながりで新しい出会いが生まれています」。会社が勢いづく一方で上田さんは今の状況を冷静に見ていた。「何かがきっかけで劇的に変わるという商売はないと思っています。劇的に落ちることはあっても、上がるのはまずないですよね」。だからこそ、常に先を見据えながら舵を取る必要があるのだろう。その言葉には、さまざまな辛苦を乗り越えてきた重みがあった。

挑戦を続けるための世代交代。
バリスタがこれからの鍵。

会社の規模が大きくなれば当然大きな挑戦もしたくなるもの。大一電化社の今後の展望について上田さんに聞いた。「大きな海に出れば大きな魚がうようよしていて食われるリスクがあり、小さな海にいる時には考えもつかないようなライバルや海外との問題など色々出てきて正直大変になるでしょう。しかし、それを味わえるのはある意味うれしいことだとも思うんです。その厳しい中をどう生き残っていくかということはいつも考えています」。2018年経済産業省の製品安全対策優良企業表彰で経済産業大臣賞を受賞したことでお客さんの期待値は昔とは比べものにならないほど高まっている。背負うものがどんどん大きくなっていると上田さんは語る。

「私は今のところまだ耐えていますが、何年か先には世代交代しないともう時代についていけなくなると思っています。カフェ業界ってやっぱり若い感覚が大事ですから」。そこでキーになってくるのが若手の存在なのだ。「うちはトップバリスタが営業もします。この業界でトップバリスタが営業をする会社はまずないでしょう。そもそも彼らはいろんなお店の店長経験をしていますから、経営者の視点で、新規事業を立ち上げようとしているオーナーさんの立場で提案ができるんです。自分がその店を任されるなら、これを買うよね!というのを心から勧める。その辺はやはりうちの会社らしさなんだと思っています」。

最後に、エスプレッソはどう飲むのが一番おいしいのだろう? と上田さんに聞いてみると「エスプレッソは絶対砂糖入れて飲んだ方がおいしいですよ」とのこと。ぜひ、やまのべ焙煎所から生まれる最高においしいコーヒーで試してみたい。

 

やまのべ焙煎所 公式サイト

大一電化社 公式サイト

ショップサイト

Facebook

 

 

 

 

 

BACK
Share

この記事をシェアする