てんりせいかつ

てんりせいかつ Vol/25
ボランティアガイドとの出会い。
━前編━

くらし
2020.12.04

第25回

天理市山の辺の道ボランティアガイドの会 8代目会長
山田 泰徳 氏

「てんりせいかつ」では、天理で自分らしく暮らし、活躍されている方々を訪ね巡りご紹介していきます。今回は、絶好のハイキングスポットであり日本最古の道といわれる山の辺の道でガイド活動をされている「天理市山の辺の道ボランティアガイドの会」の山田さんです。山田さんは平成24年に入会され、令和元年から8代目の会長をされています。今年で25周年を迎える節目の年に、ボランティアガイドのことや活動を通して感じる天理の魅力についてお伺いしました。

素晴らしい歴史文化との
出会い

「ボランティアガイドをするまでは石上神宮があそこにあるなぁというぐらいで、天理市の歴史については無頓着で知りませんでした。」そう語る山田さんは、天理生まれの天理育ち、大手電機メーカーで営業をされていたそうで、大阪や東京、広島など県外に出て、営業として走り回っていたとのこと。

そんな山田さんが、ガイドをすることになったきっかけは何だろう。話を聞くときっかけは定年後にお兄さんとの龍王山にのぼったことがはじまりとのこと。「龍王山に登り景色はもちろんのこと、天理にはこんな歴史的な山城跡があったんだと感動したんです!するといやいや、実家の近所にも豊田山城跡があるぞということで登ったんです。城郭跡がしっかり残っていて、こんな立派な城があるなんて全く知らず、とても魅了されたんです。」さらに近くには、斉明天皇の「狂心渠」、天理砂岩がある豊田山には防空壕が残っており、更には物部氏ゆかりの古墳群に石上大塚古墳・ウワナリ塚古墳などが周りには点在しているとのこと。こうした歴史的なものがあることを近所の方も知らないだろうということで、町内の方に研修会や町史の作成をしていたところ、近所のガイドをしている方からお誘いがあり入会することになったと語る。研修会や町史を作ることに対して「退職して暇やったから(笑)」と振り返っていたが、素晴らしい歴史文化を後世に伝えたいという思いが感じられた。

試行錯誤をして、
より満足してもらえるように。

そうした経緯で山の辺の道ボランティアガイドの会に入会されたが、ガイド活動の中で試行錯誤があったという。「要は見えないものを見せてわかってもらうことが大事。」そう語る山田さんは、いくら口だけでしゃべっても伝わらないとガイドをする中で感じたそうで、五感に訴えかけることを考えているようだ。実際にA4サイズの説明資料を作成し、ガイドの際に口頭で説明するだけでなく、写真や説明文もあわせて伝えることで、より伝わりやすく、相手の満足度も上がったと感じるようになったと語る。今ではガイドのみんなが同じ資料をもって説明するようになっている。

「やはりうれしいのはお客様がガイドを聞いてよかったといっていただけることや、“友人を誘ってまた必ず来ます。”と言っていただけることです。」一番記憶に残っていることは東京から友人を誘って来られた方で南・北両コースを2日間かけて案内したことだという。「この方は奥様が昔に歩きに来られていて、もう一度歩きたいと思っていたが亡くなられてしまって…、そのご主人が奥様から聞いてた山の辺の道を見てみたいということで来てくださったんです。本当に喜んでおられて、遺言どおり自然豊かで素晴らしいところだったと言ってもらえました。」ガイド後にお客様から「打ち上げさせてください。」ということで飲みに行くほどの仲になったという。

 

後編につづく===

 

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